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機械は神に愛されない

 何世紀も前に廃棄された、工業都市のひとつ――破裂した水道管の断面から、ぴたり、ぴたりと水滴が落ちている。その下の、罅割れたアスファルトはその雫によって年月を掛けて深く穿たれ、さながらごく小さな湖面を形成しているかのようであった。
 そこに、エイジはひとりでいる。擦り切れたジーンズにパーカー。履き古したスニーカーは、そのつま先でビートを刻む。途切れ途切れに鳴り響く口笛は、彼の好む古めかしいロックだ。
 ――やがて、遠くから響くエンジン音を耳にして、エイジは静かに笑みを浮かべた。
 大型のモーターバイクが彼に向かって近付いてくる。やがて、数メートル程離れた場所で静止した。降り立った男は、被っていたヘルメットを脱ぎ捨てる――その様子を、エイジは目を細めて見守った。いつの間にか、口笛は止んでいた。
「ああ、久しぶりだな……」
「…………」
 相対する男は、じっと無表情にエイジを睨みつけるように見据える。
 似ている。互いに鏡を見ているのではないかと錯覚しそうになるほどに――良く似ている。
「スノウ」
「エイジ」
 呟いた瞬間、スノウは動いた。地を蹴りエイジに飛び掛かると、その頬を思い切り殴りつける。エイジはなされるがままに殴られ、そのまま伸し掛かられて背後に転倒した。それでも笑っているのは、少しも痛くないからなのだろうか――機械化(メカナイズド)されているゆえに、痛くないのか。
 スノウはエイジに馬乗りになったまま、その顔を見下ろした。記憶の中にある顔と、そう変わってはいない。少しは老けたのか――それは自分も同じか。
 スノウはぼそり、と言う。
「……本気か」
「おれはいつだって本気だよ」
 エイジは薄ら笑いを浮かべたまま、スノウを見上げた。
「お前が一番よく知ってるはずだ。スノウ」
「…………」
 スノウは一瞬沈黙し、やがて再び口を開いた。
「もう一度、聞かせてくれ――お前の、口から」
 あの突然のメールで語られたあまりにも衝撃的であった内容を、もう一度。
「……それは構わないんだが」
 エイジは地面に横たわったまま苦笑する。
「とりあえず、起きていいか?」
 スノウはのろのろと身体を起こし、あたりの崩れかけた壁に凭れて座った。エイジがその隣に腰を下ろす。
 何故こんな時にまでお前は笑うんだ、とはスノウは尋ねなかった。そういえばこいつは、自分をメカナイズドする時ですら笑っていたのだから。
 そして、エイジはぽつりぽつりと語り始めたのであった――。

 ――その内容は、数日前にエイジが機械化人間(メカノイド)らを集めて語ったのとほほ同じ内容である。
 廃棄された工業地帯をねぐらにしている彼らは、空いたコンテナの転がる開けた場所に集い、思い思いの場所に腰掛けてエイジの言葉に耳を傾けた。その二十人足らずのメカノイドの顔に浮かんでいるのは、一様に不安の色である。少しずつ、メカナイズドされた部位に故障が生じてきている。そのことは、既に誰もが知っていた。彼らのうちのひとりはそれが原因で、今や目覚めない状態になっているということも。
「――メカナイズドを、解除する」
 エイジの放った一言に辺りは、しん、と静まり返った。エイジの傍らにはいつものようにリリがいて、静かな無表情で宙をぼんやりと眺めている。
「そんなこと、可能なの」
 口火を切ったのは、ミライだった。ハテナとあだ名をつけられているだけのことはあり、矢継ぎ早に質問を浴びせる。
「それができるなら、もっと前にそうすればよかったんじゃないの。どうして今なの。それができたとして、メカナイズドされていたところは、どうなるの。それに、その後僕らはどうなるの」
「まあまあ、一気に言うなって」
 エイジは笑ってミライを遮った。
「そんなに質問、覚えていられねえよ」
「…………」
 ミライが口を噤むのを見下ろしながら、エイジはそのあおみがかった目を細めた。
「ひとつ。可能かどうかは、試してみなければわからない。だが、これに関してはテストができない。ぶっつけ本番だ。ふたつ。なぜもっと早くそうしなかったか。それは、そんなことが可能だとは考えもつかなかったからだ。検討を重ねた結果、恐らく可能だろうという結論に達した。それから」
 エイジはいったん口を切り、くるりとメカノイドたちを見回した。
「皆、気付いているとは思うけど……当初の予測以上にメカナイズド部品の故障が早い。このままでは俺たち本体の方も保たなくなる――」
「…………」
 それぞれが、思い思いの体の部分を見つめる――動かなくなりつつある四肢、痺れたように異常な感覚の続いている皮膚。靄がかかったような視界。
 うちのひとり、ハルは己の傍らを――今は誰もいないその場所を悲しげに見つめる。その双子の弟、アキは未だ目覚めない。かろうじて生命は維持されている。だが、意識は戻らない。
「それが、今である理由だ」
 エイジは言い切り、そしてさらに言葉を続けた。
「メカナイズドされていた部位がどうなるかだけど、さっきも言ったとおりテストはできないから、不明としか言えない。ただ、俺がシミュレーションした限りでは……まあ、何らかの後遺症は残ると思う。メカナイズドの程度にもよるけれど、場合によっては義手や義足が必要になるかもしれないな」
 エイジは淡々と語る。その面持ちは、メカノイドのリーダーとして生きてきた男というよりも、むしろできるだけ冷静に客観的であろうとしているようであった。それがかつての、ドクター・イプシロンと呼ばれていた頃の彼の名残であると気付いたものがその場にどれほどいただろう。
「それから――最後。その後、君たちがどうなるかだけど。メカナイズドが解除されるのを条件に、『政府』には君たちの保護を確約してもらっているよ」
「全部覚えてるじゃん……」
 ミライがぼそりと呟くのを耳にして、エイジは苦笑する。
「『政府』だって?」
 次に声を上げたのは、リュウだった。長らくメカノイドであることを伏せて社会に潜伏していた少年――結局は恋人に密告され、アーミィに追われていたところをエイジとリリによって助け出されたのだった。
「散々俺たちを殺そうとした奴らが、今更保護してくれる、だって?」
 その顔面には明らかな怒りと不信の色があった。
「そんなの、信用できない!」
「俺も信用なんてしてねえよ?」
 エイジは落ち着き払ってそう言った。
「俺は取引しただけだ。……最近幾つか潰したアーミィの基地から、いくつか有用な情報が入手できたからな」
 彼はそれ以上詳しくは語らなかったが――実のところ、彼は「政府」を脅迫したのだった。「統一政府」がずっと隠匿していた大量破壊兵器――それは、リリの力を借りずとも世界が数回は滅ぶであろう威力と十分な数を兼ね備えた兵器である。その在り処と使用に必要なパスコードを入手した、と。嘘ではないし、はったりでもない。「政府」が約束を違えれば、彼はそれを起動させるつもりだった。
 どうせ、メカノイドに未来はない。このまま何もしなければ、メカナイズドされた臓器が徐々に壊死(ネクローシス)していくままに、緩慢な死を待つのみである。それならば、やれるだけのことはやってやろうではないか。「政府」相手に取引して、賭けに勝つことができれはそれもよし。そうでなければ――賭けに負けた時は、世界諸共に滅びを迎える。それだけだ。
 さて、メールでその文言を受け取った時のスノウは、一体どんな顔をしただろうか。それを考えると、こんな時にも関わらずエイジの口元には笑みが浮かんでくる。アーミィ上層部に持ち帰って、会議に掛けて……さぞかし吊るし上げられたろう。ただでさえ唯一の肉親である弟のエイジがメカノイドとなったことで、既に軍人であったスノウの立場は非常に困難なものとなったはずなのだ。それでも「フル」を擁するエイジを刺激するわけにはいかないから――そしてスノウ自身が優秀な男であったから――表立って罪に問われたり、左遷されたりすることはなかったようだが。
「ねえ」
 口を開いたのは、やはりミライだった。
「もし――このまま放っておいたら、ぼくらの体はどうなるの」
「言ったろう? 本体の方が持たなくなるって」
「……それって、死ぬってこと?」
 しん、と辺りが静まり返った。
 きっと、誰もが予期していた――それでもそれを言葉にして放つ勇気は、誰にもなかった。それを、ミライはやってのけたのであった。
 エイジは両目を少し大きく開いて、そして満足げに笑った。
「そう、そのとおりだ」
「…………」
 重苦しい静寂が辺りに満ちる。揃って俯いたメカノイドたちを、リリはその静かな眼差しでじっと見つめていたのだった。

「問題は、この方法は個別に対応ができないってことだ」
 数分後、エイジは再び口を開いた。メカノイドたちが悲嘆にくれる時間を与えるだけの余裕は、実のところ彼にもないのだった。
「つまり――メカノイドの解除は行うなら全員に、だ。自分はやりたくないとか、逆に皆はしないけど自分はやりたいとか、そういったことはできない」
「なんで?」
 ここでもやはり、ミライ。エイジは即答した。
「リリにそれができないから」
「リリに……?」
 皆の視線が、一斉にリリの方に向く。当の本人は、静かな無表情でエイジの傍らに座っていた。自分の名が出たからといって、その面に変化はない。
「リリは、やっぱり特別なんだな」
 それは誰ともなく呟かれたもので――そして、それはきっとその場にいるもの皆の総意であった。
「でも、」
 とひとりのメカノイドが声を張った。
「いつも俺たちを助けようとしてくれるんだよな」
「今までだって、助けてくれた」
 口々に、彼らは呼びかける。
「ありがとう」
「ありがとう、リリ」
 ――リリがいたから、おれたちは今まで生き延びられたんだ。リリがどんなに特別なメカノイドであっても、危険視されていようとも、関係がない。リリは仲間だ――大切な仲間だ。
「…………」
 リリは戸惑ったように瞬きをして、そして少し困ったようにエイジを見上げた。エイジはその頭に、ぽん、と掌を載せる。
「自分で説明できるか?」
「……説明?」
 リリは聞き返す。
「メカノイドの解除のこと。俺から言うよりも、自分で言った方がいいんじゃないか」
「…………」
 リリはじっと考え込み、やがて深く頷いた。そして、エイジの腰掛けているコンテナボックスの上に立ち上がる。紺色のスカートの裾が、風に揺れた。
「――メカナイズイドを解除するってことは」
 細く、高い声。廃ビルに囲まれた狭い空の中に、真っ直ぐ響いた。
「皆の体の中にある『機械』に指令を出すということ――『自ら死ぬ』為のシグナルを与えるの」
 今彼らの中で起こっている壊死(ネクローシス)とは違う――いうなれば、機械に死をプログラムするということ。壊死(ネクローシス)を起こした機械化臓器は壊れたままその場に留まり、もはや生命にとって有害でしかなくなってしまった物質を垂れ流し、周囲の組織に損傷を与え、それが原因となり正常な組織までもが損傷を受ける。それは徐々に拡大して、そして生命そのものを脅かしてしまうのだ。
「だから、その前に」
 ――命を守る為に、自らの存在を抹消する。
「そうすれば、周りの組織への被害は最小限に留められる。――ただ、あったものがなくなってしまうということには変わりないから、エイジが言ったような後遺症は避けられないと思うけれど」
 リリは訥々と語り、そしてその唇を閉じた。
「……多分、これはおれの最後の質問(ハテナ)
 ミライが手を挙げる。もう片方の腕は壊死(ネクローシス)の影響で、もはや高々と挙げることができないのだ。
「どうして、リリにそんなことができるの」
「――それは、」
 遮ろうとしたエイジを抑え、リリははっきりと言った。

「わたしが、最後に作られたメカノイドで――ひとを殺すためのメカノイドでもあったから」
 
 リリの声が消えるか消えぬかのうちに、遠くからプロペラの音が響いてきた。エイジが片眉を上げる。
「……アーミィか?」
 もしや、「政府」は壊死(ネクローシス)に襲われたメカノイドたちならば一掃できると踏んだのだろうか。
「馬鹿だな」
 エイジは唇を歪める。――壊死(ネクローシス)を起こしているのは彼ら不完全なメカノイドだけ。フル・メカノイドであるリリには何の影響もないというのに……。確かに、エイジはわざわざそのことを書き添えはしなかったけれど。
「追い払ってくる」
 リリは何でもないように言って、その背から鋼の、しなやかなワイヤーを数本生み出した。網目のように複雑に組み合わせて双翼と為し、彼女はそのままふわりと飛びあがった。
 プロペラ音は徐々に近付いてくる――その数は十ほど、だろうか。
「おい、リリを独りで行かせていいのかよ?」
 リュウが心配げに尋ねるが、エイジは答えない。その程度、リリにとって何の問題でもあるはずがない。
 リリはプロペラ機と同程度の高度まで飛翔した。やはり、アーミィだ。これ以上メカノイドのコミュニティに近寄らせるわけにはいかない。彼女目掛けて飛来したミサイルを、リリは真っ直ぐ翳したその掌で受け止める――そして、彼女はそれが爆発する暇も与えずにそのまま投げ返した。空中で爆破したその風に煽られて、プロペラ機が二機ほど墜落した。別の一機が機銃掃射を仕掛ける――しかしリリはふわりと高度を上げてそれらを全て避けた。そのまま、別の機体のプロペラの支柱の上に着地する。激しく舞い上がるスカートなど気にも留めず、リリはその華奢な片脚で支柱をぐっと踏みつけた。ぐにゃり、と折れ曲げられたその機体はバランスを崩し、ふらふらと別の機体に近付いていく。その時、既にリリはその場に居ない。別の機体の横腹に勢い良くその拳を突きだし、その装甲を打ち砕いている。
 リリは淡々とアーミィの機体を葬り去りながら、ぽつりと言った。
「……聞いているんでしょう、アーミィのひとたち」
 無論のこと、返答はない。しかしリリは静かに、そしてきっぱりと告げた。
「彼らを殺そうというのなら、わたしはこの身体にあるすべての力を持って人間を一掃するわ」
 それだけの力が、わたしにはある。
「わたしはフル・メカノイド――ひとを殺すために生まれたメカノイドよ」
 ――リリ。俺を殺せ。俺に罪を償わせてくれ。彼女の創造主は、産まれたばかりの彼女にそう言って縋った。
 死は死でもって贖うことしかできないのだと、彼は――ドクター・アルファは彼女にそれだけを教えてこの世を去った。
 ――それなら、
「あなたたちが散々狩ってきたメカノイド――彼らを殺してきた罪を、あなたたちはどうやって償うつもりなのかしら?」
 うっすらと、彼女は微笑んですら見せたのであった。

 ――リリが広場に舞い戻ってきた時、そこにいたのはエイジひとりだった。皆、散り散りに自分たちの部屋へと戻っていったのだろうか。
「おお、お帰り」
 右手を振って出迎える。
「アーミィだったか?」
「うん。全部、墜としてきた」
 ひとは乗っていなかったし、と呟く。腰掛けているエイジの隣に、リリはとん、と降り立った。
「そうか」
「…………」
 リリはエイジから半歩ほど離れた距離で立ち止まり、そのままじっと彼を見つめる。
「皆……どうするって……?」
 躊躇いがちに口を開く。
「……もう一度『政府』ときっちり交渉する必要はあるが」
 エイジは言った。――今日みたいな舐めた真似をしてもらっちゃあ、困るからな。
「それさえ整えば、『アポトーシス・プログラム』を走らせることに異論は出ねえだろうよ」
 「アポトーシス・プログラム」――それを名付けたのはエイジだった。メカナイズドに使用されている人工臓器に、自らの死を誘導する。リリが女王としてのその能力でもって、そのプログラムを誘導する信号を発する。その信号とは電波のようなものだ、とリリは説明した。彼女にしか生み出せない、繊細かつ強力なパルス。減衰すら起こらぬそれは、ひとたび発せられれば世界中にいるメカノイド全てを呑み込むだろう、とエイジは予測していた。
「……そう」
「リリが思ってるよりも、さ」
 エイジはのんびりとした口調で言った。
「皆、リリのことを信じているし――それに」
 リリのこと、好きなんだ。
「…………」
 リリは戸惑ったようにエイジを見返した。エイジは微笑んでいる。
「おいで、リリ」
「…………」
 おそるおそるといった様子で歩み寄ってきたリリに、エイジはその軋む左手を差し出した。リリはそれを小さな両の掌で包み込む。
「俺は、」
 エイジは囁くように言った。
「最後まで、お前と一緒にいるよ」
「……エイジ、」
 リリの顔が歪む。だが、エイジは彼女に何も言わせなかった。

「神様がお前を愛さなくったって」
 エイジはリリの手を引き寄せ、その幼い体を優しく抱きしめる。
「俺は今、確かにお前を愛しているよ――」

 リリは顔を彼の肩に伏せ、背を震わせている――リリは泣けない。涙を知っても、涙は出ない。それが、エイジにはひどく哀れに思えた。

「――な、前に書いて送った通りだろう?」
 エイジが「アポトーシス・プログラム」について語る間、スノウは一言も言葉を差し挟まなかった。ただ、黙って俯いて――荒れたアスファルトに覆われた地面を眺めていた。
 やがて、深いため息とともにスノウは息を吐き出す。
「きちんと検査を受けて――体に機械が残っていないことが証明されれば、『政府』は彼らの身柄をきちんと保護するそうだ。必要な医療措置も受けさせる」
 義手や義足の作成も含めて、な。
「そりゃよかった」
「そもそも、メカノイドは『人間』に圧倒的な優位性を得て、しかも『フル』が人を殺したから廃棄と決まったわけであって、素体となった子供たちそのものに罪があったわけでは――」
「その話はよそう」
 まるで言い訳のように語り始めたスノウに、エイジは言った。
「交渉成立だよな。そっちが出した最後の条件は、俺とお前が一対一で話をつけることだったんだから」
「…………」
 スノウは頷く。エイジはよいしょ、と掛け声とともに立ち上がった。
「じゃあ、俺は戻る。メカノイドたちは機械化を解除して――例の、俺たちの住んでたところで待機させておくから、ちゃんと迎えに行ってやってくれよ。扱いは丁重に、な」
 ――さもないと、ドカンだぜ。
「兵器のパスコード、しばらくの間は俺がどこからでも打ち込めるようにしておくから」
 エイジはまるで少年のように悪戯っぽく笑って、そしてふと笑みを消してスノウを見つめた。
「じゃあな、スノウ」
「おまえ、……」
 やはり、とスノウは唇を噛んで俯いた。

 「アポトーシス・プログラム」では、人工臓器がすべて死に向かう。
 すべて。例外なく、すべて――。

「ああ、さよならだ」
 エイジはスノウに背を向け、歩み去る。
 彼の吹く懐かしいロックの旋律が聞こえなくなるまで、スノウはじっとその背中を見つめていた――。